CAD/CAM冠とは?
コンピューターで作製する被せ物です
これまでの被せ物は歯科技工士の手作業で作製されていました。
CAD/CAM冠はコンピューター上で模型をスキャンして、歯の形状をデザインします。専用の装置がハイブリッドセラミックのブロックから削り出して被せものを作製します。
これからの歯科業界が直面する歯科技工士の高齢化による人手不足の解消や歯科用金属の高騰のため金属の代替案としてCAD/CAM冠が普及し、メタルフリー化を促進するものと期待されています。
保険でできるの?
当初、小臼歯のみが対象でしたが、2024年6月より保険適応で行える範囲が拡がりました。(但し、条件が複雑なので、まずはお口の中の検査させて頂き、適応かどうかご説明させて頂きます。)
また、どの歯科医院でもCAD/CAM冠ができる訳ではなく、厚生労働大臣が定める施設基準に適合していると認められた歯科医院でのみ治療が可能です。
奥歯に保険適用のPEEK冠
2023年12月の保険診療の改定により、新たに奥歯の白い被せ物「PEEK冠」が保険適用になりました。
PEEK冠はポリエーテルエーテルケトン(Poly Ether Ether Ketone) の略称で、超高強度のプラスチックです。医療分野では、体内で無毒かつ不活性で生体適合性が高いことから、人工関節等のインプラントなどにPEEK素材が使用されています。
耐久性に優れており、変色しにくく、アレルギーの心配もありません。デメリットとしては、単色のブロックから削りだすため、他の歯の色と合わず不自然に見える場合があります。
奥歯(大臼歯))全般に無条件で保険が適用できます。
※画像引用:株式会社松風HP
PEEK素材の根管洗浄用のチップ
治療費について
CAD/CAM冠(小臼歯) | 削って型取りするときに約¥2,500 装着時に約¥4,800 |
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CAD/CAM冠(大臼歯) | 削って型取りするときに約¥2,500 装着時に約¥5,200 |
PEEK冠 | 削って型取りするときに約¥2,500 装着時に約¥6,100 |
※CAD/CAM冠が保険適応になる前は、ハイブリッドセラミクス冠の相場が6〜7万円(自由診療)だったことを考えると、大変お得になりました。
メリット・デメリット
メリット
- 金属アレルギーの心配がない
- 保険外セラミックに比べると、安価に白い歯にできる
- 金属による歯茎の黒ずみの心配がない
デメリット
- 歯ぎしりや食いしばり、咬合力が強い方には向いてない(外れたり、割れる可能性がある)
- 単色のブロックから削りだすため天然歯の様な自然感を出すことが困難
- 割れないように厚みを確保するため、金属冠に比べて歯質削合量が増える